この副教材「くらしと交通安全」は、高等学校の公民科、家庭科、保健体育などの授業や交通安全指導などにおいて、地域交通とそこにおける交通安全のあり方についていろいろと考えていただくために作成し、新たに提供を開始いたしました。

 日本では交通事故による死亡者が年々低下しています。過去30年間で交通事故による死亡者は約半分に減っています。大変喜ばしい限りですが、その一方で事故件数は逆に過去30年間で5割以上増えている現状があります。また日本では歩行者と自転車の利用者からなる交通弱者の比率が年々高まっており、最近では交通事故死亡者に占める割合が5割を超えました。残念ながら、日本の道路が以前に比べ安全になったと言える状況ではありません。実際、日本では自転車と自動車との間で健全な共存関係の形成が諸外国に比べ大きく遅れていて、自転車が安心して車道を走れる状況にありません。また、歩道の整備が諸外国に比べ遅れていることから、歩行者は絶えず自動車や自転車の存在を気にしながら歩かなければならない状態が未だに続いています。

 これまで私達は、交通ルールを守り事故防止と自らの安全を心掛けてきました。しかしながら、現在の日本が抱える交通弱者問題を抜本的に解決するには、これを国民共通の社会問題としてとらえ、私達一人一人がより深く関わって行く必要があるのではないでしょうか。つまり、市民の立場から道路環境の現状や地域の交通安全のあり方について考え、行政に対して積極的に発言し危険な道路環境を改善していくことが求められています。また交通問題について考えることは、社会人の予備軍である高校生にとっても意味があると思われます。交通安全に対する意識を高めるとともに、現代社会が抱える社会問題への理解を深めるきっかけになるのではないでしょうか。

 この副教材は、欧米における交通弱者の安全対策事例を取り上げています。そこには日本と異なる視点や発想、知恵や工夫があります。また、日本とは異なる道路空間の配分方法や道路インフラ、また静穏化された自動車交通の姿があります。そして、自動車と交通弱者との調和がとれた21世紀の新しい都市交通と地域社会の姿があります。この副教材で紹介した事例を参考に、皆さまが住む地域における交通弱者の安全や交通安全の向上に少しでも役立てていただければ幸いです。


B5判/40ページ


『くらしと交通安全』Vol.1 <目次>
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タイトル
概要
1. ロンドンの歩行者安全 イギリス・ロンドンにおける歩行者の安全を確保する道路インフラや交通ルールを紹介
2. ミュンスターの自転車安全 ドイツ・ミュンスターにおける自転車の交通安全を確保する道路インフラや自転車走行ルールを紹介
3. アメリカにおける自転車安全 アメリカ合衆国における徹底した自転車の車道走行ルールとその安全確保の取組みを紹介
4. アメリカにおける自転車安全 アメリカ合衆国における自転車の車道走行安全確保にむけたドライバー教育を紹介

「くらしと交通安全」は無料提供しています。お申込みはこちらからどうぞ。