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Traffi-Cationトップページ > Traffi-Cation 2019 夏号(No.51)

【交通安全Topics】

イヤホンをつけて“ながら運転”の自転車
人をはねていなくても「ひき逃げ」で書類送検

被害者との接触がなくても「ひき逃げ」に

 自転車の運転者が、被害者を直接はねていない事故で「ひき逃げ」の容疑で書類送検されました。これはどういう事故だったのでしょうか。

事故の状況

 事故が起きたのは2018年5月11日、午前8時20分頃。

 東京都内の信号機のない五差路交差点に、イヤホンをつけて自転車に乗っていた男性医師(30歳)が一時停止の義務を怠り進入し(下図 道路:Aより)、右後方(同 道路:B)から来た乗用車と接触しました。

 乗用車は急ハンドルを切ったはずみで対向車線(同 道路:C)に進入し、交差点近くにいた自転車の主婦(44歳)に衝突。女性は頭の骨を折り、一時意識不明の重体に陥りました。

 自転車の男性医師は事故後に、自身の壊れ自転車を放置し、タクシーに乗って立ち去りました。その姿は周囲の防犯カメラにとらえられていました。

(注) 結果的に女性をはねてしまった乗用車を運転していた男性(28歳)も、
    自動車運転処罰法違反(過失運転致傷)の疑いで書類送検されています。

 

違反のポイント

 この男性医師は「重過失傷害」と「道路交通法違反(ひき逃げ)」の疑いで書類送検されました。そのポイントは次の3点です。
※ “重過失”とは、ちょっとした落ち度では済まされない程度の重大な不注意のことです。

1)イヤホン装着運転

 東京都の道路交通規則には「イヤホンを使用して安全な運転に必要な交通に関する音または声が聞こえないような状態で車両等を運転してはならない」という定めがあります。男性はこの規則に違反していました。

 イヤホンを装着しての運転は周囲に対する注意が散漫となるため危険であり、事故の原因を作った場合にも過失を問われる可能性が高いと言うことができます。

2)指定場所一時不停止

 信号機がなく一旦停止の表示がある交差点で、一時停止することなく進入した行為は、自転車運転者講習の受講命令の要件となる危険行為14類型のうちのひとつです。この事故の場合、男性の飛び出しがなければ事故は起こらなかったと考えられ、被害者に直接接触はしていなかったのですが責任が問われたのです。

3)ひき逃げ

 道路交通法の第72条では、交通事故に関わった車両の運転者に以下①~⑤の義務を課しています。

①直ちに運転を停止する
②負傷者を救護する
③二次被害などが出ないよう必要な措置をする
④警察に連絡して、場所・負傷者・日時などを報告する
⑤警察官が現場に到着するまで現場に留まる

 これらの義務を遂行しなかった場合「ひき逃げ」という罪になります。この事故の場合は、人身事故を誘発したにもかかわらず、その場から逃走したのですから、犯罪として成立しました。

 この犯罪の主体は「車両等の運転者その他の乗務員」であり、自転車も含まれます。

もしも事故に関係してしまったら

 生徒の皆さんには、ながら運転等の違反行為を行わないことはもとより、本件事故のように直接人にぶつかっていなくても事故を誘発した際には、当事者として責任を問われる場合があり、「車両」運転者としての義務を遂行することを指導されてはいかがでしょう。

 

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