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Traffi-Cationトップページ > Traffi-Cation 2019 秋号(No.52)

【交通安全Topics】

要注意!電動アシスト自転車の乗り方

増加する電動アシスト自転車

 電動アシスト自転車は、モーターを補助動力とし、上り坂でも楽に走行できるため、運転免許を返納した高齢者や、子どもの送り迎え、買い物等に利用する主婦の移動手段として使われており、また街中のシェアサイクルや営業車としての利用も増えています。
 販売台数も70万台に近づき、自転車販売全体の4割以上を占めるようになってきました(図1)。

図1 自転車および電動アシスト自転車の販売(出荷)台数推移

出典:「経済産業省生産動態統計調査年報機会統計編」(平成30年)

 

電動アシスト自転車の事故増加

 近年、自転車の交通事故を含めて、全体的に減少傾向にある事故件数の中で、販売台数の増加している電動アシスト自転車の交通事故は増加し続けています。2013 年から2017 年の間で全自転車の関わる事故件数が25%減少している一方で、電動アシスト自転車の事故件数は62% も増加しています(図2)。

図2 自転車・電動アシスト自転車の交通事故件数

出典:公益財団法人交通事故総合分析センター(ITARDA)

 

電動アシスト自転車での危ない経験

 電動アシスト自転車で危ない経験をしたことのある人は4 割近くおり、その人たちに、どのようなことを危ないと感じたのかを調査したデータがあります(図3)。

図3 電動アシスト自転車での「危ない経験」

出典:『自転車の安全・安心利用に関する意識調査』2018年(KDDI株式会社)

 この結果から、電動アシスト自転車に乗る際は、普通の自転車とは異なる、次のような注意が必要なことがわかります。

・ペダルを踏んだときに急発進する

 電動アシスト自転車に慣れていないと、ペダルを踏んだときに思ったより急な発進をすることがあり、またペダルに足を乗せているだけでアシスト機能が働いて、意図しないのに走り出す場合もあります。
 こうしたことが、交差点や歩道付近からの飛び出しなどの事故につながります。

・重さによって転倒、乗降時によろめく

 電動アシスト自転車の重量は25kg から、重いものでは35kg を超えるものまであります。重さでコントロールできなくなり転倒する事故や、よろめいてしまうことも多くあります。

・小回りがきかずに、急ハンドルでバランスを崩す

 思っている以上に小回りのききにくい乗り物で、ハンドル制御も思うようにいかない場合があります。
 急ハンドルを切るとバランスを崩しやすく、その際に足をついたとしても、重さを支えきれず転倒につながることもあります。

スピードに注意

 歩行者に対しても、普通の自転車より大きな注意を払わなくてはなりません。

 電動アシスト自転車は10km/h 未満で人力の2 倍程度のアシストがあり、速度が上がると徐々に力が弱まって、24km/h 以上で補助がなくなります。
 つまり、動き出しからかなりの速度で走行する可能性があり、また車体も重いため、万一事故を起こした際は、重大な状況を引き起こす恐れがあります。

 

電動アシスト自転車の安全な乗り方の周知を

 自転車は車道走行が基本。しかし例外的に走行が認められている歩道では、電動アシスト自転
車も歩道を走ることができます。
 このような交通環境下にある歩道において、スピードが出やすく、重量のある電動アシスト自転車が走ることは、大きな危険をはらんでいます。
 自転車は車道を走行するよう、指導を徹底することが必要です。それとともに、電動アシスト自転車についてはその特性を踏まえた上での安全な乗り方の周知と指導が必要です。

 通学用の電動アシスト自転車も発売されており、実際に使用されているケースもあるのではないでしょうか。
 
自転車メーカー主催の講習会などを活用して、電動アシスト自転車に関する正しい知識と安全な乗り方の習得を徹底してはいかがでしょうか。

 

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