No.701 平成30年6月5日




 財団は、社会と自動車のより良い関係を形成するため、高等学校における自動車及び交通に関する教育への支援を行い、我が国の交通社会及び交通文化の健全な発展に寄与すべく、平成29年度も事業活動に取り組んだ。
 自動車技術教育(自動車技術に関する教育)については、高等学校における技術教育の維持・向上とさらなる普及を支えるために取り組んだ。自動車技術教育用教材の継続提供に対する高等学校からの強い要望に応えるため、広域公募を継続すると共に提供教材メニューの充実を図った。また、担当教諭の技術知識や指導能力向上を目的とした支援活動にも取り組み、指導員の派遣や指導教材の提供を適宜実施した。
 交通社会教育(自動車及び交通と社会とのかかわりに関する社会教育)では、引き続き「交通」「環境」「交通安全」「自動車」の4テーマを中心に取り組んだ。これらに関する国内外の先進事例の調査を重ね、調査報告書や広報誌の特集記事に反映させ教育関係者へ展開した。また、先生方の関心が高い環境や安全に関する先進技術や交通安全等については、先生方を対象とした財団主催研修会の開催や、関係団体からの専門講師の学校派遣を増やすなどして、高校における自動車や交通に関する教育を支援した。

 

1.自動車技術教育支援事業

 技術教育支援事業では、北海道、関東、北陸、中国地方の14都道県297校を対象に、自動車技術教育用教材提供の公募を行い、12都道県87校より応募があった。審査委員会にて厳正な審査・選考を行い、応募のあった全87校に教材の提供を行った。これで、平成3年からの提供校累計は1,812校となった。また、担当教諭の技術知識や指導能力向上支援の一環として、汎用エンジン提供校(28校)への取扱指導、電子制御エンジン提供校(8校)への解説DVDの提供、及び技術系の講師派遣(25件)を実施した。
 更に、自動車教育推進協議会と連携し、対象12都道県全てにおいて教材贈呈式と教育懇談会を開催し、高等学校と自動車関係団体との自動車技術教育に関する交流促進と自動車教育の普及促進を図った。

 

2.調査研究事業

 調査研究事業では海外調査を2回、国内調査を3回実施した。海外においては、米国カリフォルニア州のZEV(Zero Emission Vehicle)規制の状況やZEV普及に向けた取り組みを調査した。また、国内においては、地方都市におけるライドシェアや自動走行カートの事例、ドライバー不足に対応する貨客混載の事例を調査した。
 この調査結果は、財団の事業報告紙である『JAEF REPORT』で報告するとともに、広報誌『Traffi-Cation(トラフィケーション)』の特集記事や海外交通事情として記事化し、広く高等学校への展開を行なった。また今後導入が見込まれる科目「公共」用の副教材『持続可能な社会づくりと自動車交通』を制作した。

 

3.研修事業

 研修事業では、JAEF研修会(財団主催の研修会)を東京、栃木、愛知の3県で合計4回開催した結果、195名の高校教諭が受講し、参加者から大変高い評価を得た。
 また、講師派遣活動(地域主催研修会への支援)においては、全国の高等学校を対象に広域公募活動を行った結果、大変多くの申し込みがあり、講師派遣件数は前年度を上回る345件に達した。また受講した教職員と生徒の合計は137,826名となり、講師派遣の件数、受講者数共に過去最多となった。

 

4.普及啓発事業

 普及啓発事業では、全国の高等学校(約5,900校)を対象とした広報誌『Traffi-Cation』を3回発行し、高等学校における自動車教育に対する理解促進と財団活動に対する認知向上に努めた。同誌の高校教諭に対する個別提供の拡大を進め、同誌のさらなる普及拡大に努めた。
 さらに、広域普及啓発活動として、ホームページ、ニュースリリース(『JAEF NEWS』)、定期事業報告紙(『JAEF REPORT』)等の多様なメディア展開を図り、広く世間に対して自動車教育並びに財団活動に関する情報発信を行った。特に、財団ホームページや支援メニューチラシについては、事業展開に合わせて適宜更新を行うなど、タイムリーな情報発信を心掛けた。

5.組織運営について

 平成29年度の財団事業は、第13回理事会(平成29年3月15日開催)にて承認された平成29年度事業計画及び平成29年度収支予算に基づき、展開された。
 具体的な事業展開に際しては、各委員会・部会での検討を経て、効率的な展開を心がけた。これらの会議の開催状況は、企画委員会3回、審査委員会1回、事業委員会2回、技術教育部会4回、調査普及部会2回、研修部会2回となっている。
 収支に関しては、早期償還となった債券のより利率の高い債券への組み換え、新規賛助会員の加入により若干収入が増加した。一方、支出面では、事業規模の維持・充実と運営の効率化・適正な費用管理に努めほぼ予算通りとなったため、最終的な収支全体は若干の黒字となった。

 

以 上