今回の研修会の目的は、安全運転に必要な知識を学び、教育指導に役立ててもらうこと。また、テストコースで最新安全技術を備えた車に乗り、危険な状況を安全に体験することにより安全運転のポイントを理解してもらうことにある。
1.講演
講演では、講師の鈴木氏より、安全運転に必要な知識としてハインリッヒの法則やドライバー行動階層モデル(ヒエラルキー)から感情コントロールの重要性を学んだ。また、交通安全指導をする際の留意点として①知識(インターナルモデル)、②アクティブラーニング(参加型教育)、③フィードバック(行動改革)、④メタ認知能力(自己コントロール)、⑤気付きを生むコーチングなどについて、身近な事例を挙げながら詳細に解説された。
参加者からは、「交通安全に限らず、生徒の教育指導にも役立つ内容で参考になった」「基礎知識をあらためて確認できて良かった」「メタ認知能力やコーチングの話は大変勉強になった」「配布資料が分かりやすくて素晴らしい」などの声が多く寄せられた。
2.体験実習
危険な状況を安全に体験することにより安全運転のポイントを学んだ。
四輪車と二輪車の2グループに分かれて、構内の専用コースで実施した。
・四輪車:「低μ路回避」「低μ路ブレーキ」「スキッドリカバリー」を各50分ずつ体験。
・二輪車:「ブレーキング」「スラローム」を各80分ずつ体験。
<実習内容>
・「低μ路回避」:滑りやすい路面でのABS効果と制動結果を体験し、安定したブレーキ操作を学ぶ。
・「低μ路ブレーキ」:滑りやすい路面を使い、安全デバイス(ABS、横滑り防止装置)の効果と限界を体験し、いざという時の対処を学ぶ。
・「スキッドリカバリー」:車の不意な挙動の乱れに対して修正操作を疑似体験する。
・「ブレーキング」:指定速度から挙動を乱すことなく安定した停止を体験する。
・「スラローム」:様々な半径のコーナリングを連続して走行し安定した旋回を体験する。
参加者からは、「ドライとウエットのコンディションでの実習が体験できてよかった」「普段経験できない操作が体験できて大変有意義だった」「基本操作の確認ができてよかった」などの声が寄せられた。