| Traffi-Cationトップページ > Traffi-Cation 2019 秋号(No.52) | ||||||||||||||||||||
【海外交通事情報告 第52回】 イギリスのドライバー向け安全運転教育〜受講しやすい環境設定、コース修了者には保険料割引も〜 |
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世界の自動車需要が伸長する中、各自動車メーカーは事故そのものを減らす、あるいは事故発生時の被害を極力小さくすべく、技術開発そして実用化に注力しています。 日本でも交通事故防止対策の一環として、被害軽減ブレーキを搭載したクルマに「セーフティ・ サポートカー(サポカー)」、被害軽減ブレーキやペダル踏み間違い時加速抑制装置等を搭載した クルマに「セーフティ・サポートカーS(サポカーS)」といった愛称をつけ、官民連携で当該 車両の普及啓発に取り組んでいます。 ハード面では、“ぶつからない”クルマが開発され、世の中のクルマがすべてそれに置き換われば事故はなくなりますが、速やかな実現は見込めないのが現状です。よってソフト面、例えばドライバーへの安全運転教育は今後も重要な活動であり続けるでしょう。 先般取材に行ったイギリスで、運転免許保有者(上級ドライバー)を対象に交通安全教育を行っている機関を訪問する機会がありましたのでご紹介します。
上級ドライバー教育機関「iAM RoadSmart」とは 「iAM RoadSmart」は、ロンドンにて自転車やクルマの乗り方の指導などの交通安全教育を行っている機関で、ドライバーの運転レベルを改善し、交通安全につなげることを目的としたサービスを9 カ国に提供しています。政府が認定している上級ドライバーの教育機関は4 つあり、その中で最大規模とされています。1956 年に設立され、これまでに延べ 46 万人に対するトレーニングを実施しています。 イギリスの運転免許保有者は約 3,400 万人で、2016 年の交通事故死者数は 1,792 人で前年比+4% となっており、2011 年以降はほぼ横ばいの傾向にあります(図表①)。
受講し易い教材で、フルコース修了者に保険料割引も 受講コースでは「iAM RoadSmart Masters」を最上級とする 6 段階の単位を設定しています(図表②)。それを取得するための受講モジュールメニューとして、車両管理やさまざまな交通環境・運転状況における運転方法に関する 10 のコンテンツがあります(図表③)。オンライン、オンロード(路上実習)双方のコンテンツが用意され、受講者はスマートフォン用のアプリの他、さまざまな教材を通じて学ぶことができます。
ちなみに日本でのドライバー向け教育としては、「運転免許取得者認定教育制度」があり、公安委員会が認定する指定自動車教習所など民間の運転者教育機関で受講することができます。自動車保険については、「安全運転講習会受講割引制度」があり、国の指定自動車教習所で運転免許取得者教育を受講した場合、保険料を割引く商品もあるようです。 今後関連当局・団体が協調して、ドライバーにとってより効果的で有用な運転教育が実践されることが期待されます。
高齢者ドライバー対策も政府に提案 「iAM RoadSmart」は、上述の教育以外にも第三者機関として交通安全に関する市場調査やレポート発行も手がけています。 現在、イギリスでも高齢化が進み、事故・死傷者減少への課題のひとつと認識されています。同国では、運転免許を一旦取得したら 70 歳までは特別な手続きは不要です。70 歳以上になると 3 年に一度運転免許を更新する必要がありますが、セルフチェックのみとなっていることからその実効性に疑問符がつきます。よって、「iAM RoadSmart」では政府に対して、高齢者の運転評価の導入を提案しているとのことです。 日本でも、政府が安全機能付き車種のみ運転できるようにする高齢ドライバー専用の新しい運転免許制度の創設を検討している、とのメディア報道がありました。イギリスを含め高齢化が進む国々における、今後の対策が注目されます。 * 図表出所:iAM RoadSmart 説明資料より抜粋
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