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【人、クルマ、そして夢。 第20回】交通コメンテーター 西村 直人 先進安全技術を実装した国産初の連節バス |
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日本の経済を下支えする路線バス。全国で年間41億人以上もの乗客に利用されています。現在、統計上の路線バス乗客数は減少傾向にありますが、逆に一部の都市部では人口集中により増加傾向にあります。今回紹介する連節バスは、そうした都市部での大量輸送を目的に開発された車両です。 日本では1985年に開催された科学万博「つくば85」において100台の連節バスが初めて導入され、1998年には千葉県幕張市を走る路線バス区間に連節バスが導入され現在に至っています。現在走行している連節バスは通常の大型路線バスと比べて1.5倍(約80名→約120名)の輸送力があり、乗務員不足の解消にも一定の効果がみられるものの、これまで導入には高いハードルがありました。 そこには、走行できる道路に制限があることや、道路運送車両法における保安基準の緩和認定が必要であること。国産メーカーは連節バスを製造していないため事業者自らが輸入するなど手間がかかること。加えて、必要な整備部品もすべて輸入しなければならず、導入コストのほか運用コストも高くつくなど複数の課題があったのです。 2014年3月、国土交通省・自動車局は「連節バス導入ガイドラインver.1」を策定。それを受け、国内商用車メーカーが連節バスの開発に着手することになりました。今回紹介する連節バスは2019年5月に発売された国産初の車両で、製造は日野自動車といすゞ自動車の折半出資会社である「ジェイ・バス」が担当します。
連節バスのボディサイズは全長17990×全幅2495×全高3260(㎜)と、これまでの大型路線バスと比べて全長で約7m長くなっています。前車両には前/中軸が、後車両には後軸が設けられ、前後車両は「連節器」によって結合されています。3軸の主要部品と連節器はいずれも海外メーカー製ながら国内製造のバスと同じ整備性が確保されているとのことです。 前車両の前軸はステアリング操舵を担当し中軸は固定。直列6気筒直噴エンジン(8,866ccでハイブリッドシステムとの組み合わせ)は後車両の最後部に搭載され、7速のAMT(クラッチ操作の要らないシングルクラッチ方式トランスミッション)を介し後車両の後軸を駆動します。 この連節バスは、国産車ならではの先進安全技術である「プラットフォーム正着制御」、「協調型車間距離維持支援システム」、「公共車両優先システム」、「死角支援システム」を実装しています。このうち注目はプラットフォーム正着制御です。 これは道路に敷設した(道路標示のように描かれた)専用誘導線を車載カメラで認識して、ブレーキ/ステアリングを自動で制御し目標の位置にピタリ(バス停に設けられたプラットフォームとのすき間は45㎜±15㎜)と停車させる技術(詳細は画像②)です。専用誘導線を正しく認識している限り、SAEにおける自動化レベル2相当の運転操作が実現します。ちなみに車両価格は88,000,000円(税抜き)と、ハイブリッドシステムを搭載した大型路線バスの3倍ほど高くなっています。
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